タロットカードの「１２番 吊られた男のカード」について理解を深めて参りましょう。
「１１．JUSTICE 正義」の次が「１２．THE HANGED MAN 吊られた男」です。吊るされた男、吊るし人とも呼ばれます。
「愚者の旅」
公正であることが全ての人にとって公正なことではない、と気付いた時、愚者は「何のために頑張るのか」と自問自答してみました。
それでは吊られた男について掘り下げていきましょう。
吊られた男のイメージ
吊られた男のカードを見てみると、後ろ手に縛られ、T字の木に片足で逆さ吊りにされた男性が描かれています。
吊られた男は、自らで選択して、身動きが取れない状況に身を置いています。
その証拠に、逆さ吊りという過酷な状況であるにもかかわらず、表情はとても穏やかで、頭には後光まで差しています。
逆さに吊られ、身動きが取れない状況だからこそ、彼の思考は冴え渡り、思考を使って工夫しています。
慌ただしい日常では気付かないことも、あえて身動きの取れない状況に身を置くことで、心の動きの真実に気付くことができるのです。
吊られた男の意味
タロット占いをした時に吊られた男のカードが出た場合、どんな意味があるのか考察していきましょう。
吊られた男のキーワード
吊られた男の基本のキーワードは「努力」です。
身動きが取れなくなって感じるもどかしさ、まずはその事実を認めましょう。
吊られた男は、自ら進んで逆さ吊りの状態を楽しんでいます。
彼は、自己犠牲と奉仕の精神を持っているのです。
誰かから強制されたことではなく、自らが犠牲になり我慢をすることで、救われる誰かがいることを示しています。
どんな苦境に立たされ、身動きが取れなくても「頭を使って考え、工夫することはできる」ということを教えてくれています。
吊られた男の主なキーワードは…
犠牲、忍耐、奉仕、障害、困難、試練、修行、静止、苦労が報われる、ボランティア
この他にも意味合いはたくさんあります。
カードを見た時のイメージやインスピレーションを大事にしてください。
吊られた男が正位置で出た時の意味
吊られた男が正位置で出たら、思うようにならない現実を認め、冷静に自分のことを考えてみることを表します。
動かずにじっと考えることで、感情が落ち着き、不安や恐れが消え、現状把握ができるようになります。
吊られた男が逆位置で出た時の意味
吊られた男が逆位置で出たら、身動きの取れない状態にあり、現実を受け入れられずにいることを表します。
相手の為ではなく、自分の気持ちを優先しています。
焦ったり、抗ってもがいたりするほど、縛る縄が身体に食い込み、痛みを感じるでしょう。
まずは、現状をありのままに見つめることが大切です。
吉意の場合は、閃くことや悟りを得ることで動き出す、困難から抜け出す、等と読みます。
吊られた男の逆位置のキーワードは…
徒労、投げやり、自分本位、自己中心的、報われない苦悩、努力しているつもり、骨折り損
吊られた男の解釈
実際にタロット占いで吊られた男のカードが出た場合、どのように解釈すれば良いのか、占い内容別にみていきましょう。
恋愛占いで吊られた男のカードが出た
正位置の場合は、しばらく進展がなく辛抱が必要な状態です。
我慢が強いられたり、相手に尽くすことの多い状況です。
不満があっても、様々な理由で身動きの取れない環境にあります。
自分の想いを捨て、状況を受け入れることが必要な時です。
逆位置の場合は、我慢ができなくなってしまいます。
終わりの見えない片想いをしていたり、自己中心的な恋心を持っています。
努力の方向性が違い、無駄に終わってしまうかもしれません。
仕事占いで吊られた男のカードが出た
正位置の場合は、忍耐・辛抱が必要な時です。
試練の時であり、日々の努力の積み重ねを求められています。
問題解決には時間がかかり、先を焦れば返って状況を悪くしてしまいそうです。
逆位置の場合は、忍耐強くなっています。
目先のことにこだわらない態度がプラスに働きます。
すっぱりと諦めることで、事態を好転することができそうです。
障害を乗り越えることが、次のステップに繋がります。
人間関係占いで吊られた男のカードが出た
正位置の場合は、耐えなければいけない時です。
尽くしても報われそうにありません。
ジレンマに苦しみ、何をすれば良いのか迷っています。
軽率な態度や自分勝手な行動で反感を買ってしまいそうです。
マイナス思考に囚われ、何をやってもうまくいかない気がするかもしれません。
逆位置の場合は、忍耐強くなっています。
今は耐えなければいけない時と悟っています。
奉仕精神を持つことで苦労が報われそうです。
吊られた男のまとめ
吊られた男は、我欲を捨てて人に奉仕する精神を表します。
名誉や名声、富や成功からはほど遠い心の持ち方に見えますが、この精神こそが成功への近道なのです。
吊られた男は、自分の行為が正しく、やがて大きな成果となって返ってくることを確信しています。
吊られた男が吊るされている木には新芽が芽吹き、彼の自己犠牲がいずれ実ることを表しています。
もし吊られた男のカードが出たら、正位置なら全てを受け入れてじっくりと考える時間を持ってみてください。
逆位置なら、自分の無力さを認めてみてください。
吊られた男のカードは、身動きの取れない状況を意味します。
自己犠牲が強いので、「相手や何かの為に動かない」という選択となり、「尽くす」意味合いが強くなります。
人は困難にぶつかると、自分のことしか見えなくなりがちですが、そんな時こそ周りの人や物に注意を向け、相手のことを思いやる心を持つことで、困難から抜け出せるのだと、吊られた男のカードは教えてくれています。
自己犠牲というとたいそうに聞こえますが、ほんの少しだけ自分のことより他者のことを考えてみる、それだけで状況が一変することもあるのです。
いったん自分のことは横へ置き、相手の立場になって思考する。これができれば、大概の問題（特に人間関係）はクリアできます。
心に余裕を持って、日々過ごしていきたいですね。
