タロットカードの「9番 隠者のカード」について理解を深めて参りましょう。
「8.STRENGTH 力」の次が「9.THE HERMIT 隠者」です。
「愚者の旅」
「欲しいものは、自分で頑張れば全て思い通りに手に入る」
そう思えば思うほど愚者は、自分の中にある「何か違う」という小さな「闇」に気が付きました。
それでは隠者について掘り下げていきましょう。
隠者のイメージ
隠者のカードを見てみると、ランタンと杖を手に持った老人が目を瞑り、うつむいて佇んでいます。
隠者は人目を避け、俗世間から離れ、たった1人で孤独に、内面世界と向き合おうとしています。
俗世間にいると、自分のことを内観することができないことを知っているのです。
隠者は、内なる自分を知る為に、孤高を好む存在です。
俗世間から離れて、独りで自分の志を守り、誇りを持って生きること
一見老人に見える隠者の背は真っすぐに伸び、彼が導き手として、堂々たる威厳を持っていることがわかります。
隠者が手にしているランタンの中には、真理へと導く六芒星(ヘキサグラム)の光があり、彼の知恵が完成されていることを表しています。
大切なのは見た目や外見ではなく、内面(人間の本質)なのです。
隠者の意味
タロット占いをした時に隠者のカードが出た場合、どんな意味があるのか考察していきましょう。
隠者のキーワード
隠者の基本のキーワードは「精神、探求」です。
隠者は、自分の世界を大切にし、知識や経験を元に何かを探求する人です。
1人で見つめなければわからない、心の内側・心の声に問い掛けます。
自分の内面を見つめることは、正しく進めば多くのヒントを受け取ることができますが、自分の考えにこだわり過ぎる原因となることもあります。
隠者 の主なキーワードは…
真実、内観、内省、内向的、精神性、悟り、慎重、思慮深い、1人になりたい
この他にも意味合いはたくさんあります。
カードを見た時のイメージやインスピレーションを大事にしてください。
隠者が正位置で出た時の意味
隠者が正位置で出たら、静かな状態でじっくりと、自分の内面を見つめ直しています。
物事を突き詰めて考える力を備えているので、専門的な分野で尊敬されたり、導き手としての役割を担うこともあります。
が逆位置で出た時の意味
隠者が逆位置で出たら、現実逃避しています。
過去の栄光にすがっていたり、目の前の状況を受け入れられない状態です。
こだわりが強くなり、求めるものを理想化し過ぎたり、誰にも理解されないと思い詰めてしまったりします。
自ら心を閉ざし、自分で自分を孤独に追いやってしまうかもしれません。
隠者の逆位置のキーワードは…
劣等感、逃避、消極、悲観、保守的、閉鎖的、籠る
隠者の解釈
実際にタロット占いで隠者のカードが出た場合、どのように解釈すれば良いのか、占い内容別にみていきましょう。
恋愛占いで隠者のカードが出た
正位置の場合は、精神的な結びつきが強い状態です。
プラトニックや片想い、精神的な成長をもたらす関係性を示します。
たとえ恋愛関係にならなくても、それ以上の心の結びつきを示唆します。
逆位置の場合は、不安や寂しさからネガティブになっている状態です。
神経質になり、考え方が陰湿になっています。
猜疑心や頑固が過ぎて、自ら関係性を壊してしまう可能性があります。
隠していた秘密がバレてしまうかもしれません。
仕事占いで隠者のカードが出た
正位置の場合は、集中力が高まっている状態です。
努力が実を結び、ゆとりのある計画が功を奏し、順調に進展していきます。
知恵の力が状況を良い方向へ変え、やり方を見直したことが好結果に繋がりそうです。
ベテラン、経験豊富な人や、専門職、研究職等も意味します。
逆位置の場合は、自分の考えや価値観に閉じこもっている状態です。
自分のやり方にこだわるあまり、必要以上に時間がかかり、実力不足に見られてしまうかもしれません。
無職やニート、社会不適合者とも読めます。
人間関係占いで隠者のカードが出た
正位置の場合は、精神的な繋がりが強くなっている状態です。
知的な会話を楽しむ心の余裕があります。
精神性の高い人物とのハイクオリティな交流が期待できます。
相談相手、オタク仲間等を示す場合があります。
逆位置の場合は、自分のやり方に固執し、疑い深くなっている状態です。
気難しさが際立ち、人に気を遣わせてしまいます。
アラ探しをする等、思慮深さに欠けています。
内向的さが強まり、一緒にいても楽しくないとの印象を持たれてしまうかもしれません。
隠者のまとめ
隠者のカードは、問題の答えは全て、自分の内面にあることを意味しています。
様々な人生経験において、様々な摩擦や葛藤を繰り返し、その都度悩み苦しんだ末に、悟りの境地に辿り着いたのでしょう。
もし隠者のカードが出たら、正位置なら、焦らずじっくりと考えて臨んでみてください。
逆位置なら、時には諦めることも必要だと割り切って、違う道を探してみてください。
良いことも悪いことも、長い人生の先では「その全てがすべき経験だった」と思える時が来ます。
もし今が辛くてしんどくて悩み苦しんでいたとしても、その辛さの1つひとつが貴方の肥やしとなり、「貴方」という人間を1つ上のステージに導いてくれる試練となるのです。
試練というと大袈裟に聞こえてしまうかもしれませんが、例えば「苦手な人となかなか言葉を交わせない」とか、「自分の提案が1度も受け入れてもらえない」等の悩みがあったとします。
努力や工夫をして臨んだことで、「苦手な人と挨拶することができた」とか、「会議の場で、初めて自分の提案が受け入れられた」という風にプラスに転じた時、それは試練を乗り越えたことになります。
日常の中でも、超えることのできる小さな試練がたくさんあります。
その1つひとつに向かい合い克服していくことで、人は成長していきます。
隠者はそれらの全てを超越した存在ですが、超越せずとも、高みへ近付くこと、近付こうと努力することこそが大事なのです。